学会報告の報告(日本公共政策学会)

教員 2014年6月9日 posted尾田 基

尾田基です。先週末,日本公共政策学会@高崎経済大学に参加してきました。今回が初めての参加で,学内にもほとんど会員がいらっしゃらないようなので,少しご紹介したいと思います。日本公共政策学会は,公共政策に関する学際的な学会で,政治学,行政学だけでなく,法学,経済学,地方自治体の行政実務に携わってらっしゃる方々などが参加されていました。議員さんともお話ししました!今回が第18回大会,会員数は1000名を超えたぐらいと総会で報告がありました。

今回は,「制度化されたロビイングチャネル:行政上の審議会・懇談会についての分析」という題で報告しました。イノベーションリサーチセミナーで何度か報告していた審議会のデータに関するものです(ワーキングペーパー「アドボカシー・チャネルとしての諮問機関―審議会と懇談会の使い分けに着目して」)。

9:40からという早い時間のスロットだったのですが,50人ぐらい来ていただいて,教科書を読んだことあるような大御所の先生も・・・!(異分野だとなんだかミーハーになってしまいます)いろいろコメントいただきまして,企業の意向をそのまま行政会合に持っていっても,政策としての,あるいは行政官の職務としての正当性を担保できないので,どのような翻訳がなされて政策課題となるのかという部分が重要なのではないか,など,貴重なアドバイスを頂きました。

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また,政策形成手法に関連する研究報告も幾つかあって,自身ではカバーできていない部分だったので大変勉強になりました。素人の要約で恐縮ですがご紹介します。

横田明美先生(千葉大学)「行訴法改正による義務付け訴訟導入~義務付け訴訟の「幅」について」
政策上の問題提起をするような訴訟の判決で,司法から政策に対して義務付けの判決が出た場合に,どの程度の幅,裁量が想定されていたのか,実際にどのような下級審判例が出ているのかについてのご報告でした。

・工藤郁子先生(キャンペナー)「キャンペーンによる政策形成と正統性」
何らかの社会的課題に対して,人々の関心を動員する「キャンペーン」という手法の類型を紹介されると共に,正統性獲得に際してキャンペーン手法がもつ課題を考察されたご報告でした。
工藤郁子「情報社会における民主主義の新しい形としての『キャンペーン』」『法学セミナー』708号。

上記の工藤報告を含む「情報社会の政策形成―情報のマネジメントと情報発信」(司会,西田亮介先生(立命館大学))のセッションを聴いていて,いろんな政策形成手法のバリエーションがあることに改めて気付かされました。と,同時に自分の報告タイトルにあった「ロビイングチャネル」はやや用語の定義に問題があることを思い出しました。ロビイングという用語は,話者によっては,非公開・非公式接触に限って使うことがあるので,審議会への委員参加のように公共・公開での意見表明をロビイングというのは変な用法に見えてしまうことを,題目の提出後に気付いたのですね・・・(4月に公開したワーキングペーパーではアドボカシー・チャネルという表現に変更しています)。

少し頭の整理のために手法のメモを作りました。事業規制ではあまり使わない手法も含めて,網羅しておくことも研究者の仕事のうちだと思うので,また何か思いついたら書き加えておきたいと思います。
社会運動手法のバリエーション

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