生命倫理と政策

教員 2014年2月1日 posted尾田 基

全日程がおわりましたね。1年間おつかれさまでした。

伊藤さんの発表で扱われたボディショップの動向がニュースにでていました。

水と緑の地球環境:動物実験に「ノー」 ボディショップが署名提出 11万人分を厚労相へ」 毎日新聞 2014年01月31日 東京朝刊

日本では医薬部外品の認定をうけるうえで動物実験による安全性確認がさだめられているので,企業が動物実験を廃止しようと思っても勝手に廃止することはできないわけです。

「先端科学技術とイノベーション」の授業で登場した医療用ロボットの事例やiPS細胞のケースなども,この動物実験の問題と同様に生命倫理的な問題に対して技術的手段の開発が求められている分野であると解釈できます。規制が強くなると,代替的な安全性確認方法のイノベーションが進むのかもしれません。

政策がかわるのだとすると,動物実験をしなくなることでどのようなリスクがあるのか,そのリスクと,動物の生命の問題がどのように比較衡量にかけられるのか,ということが論点となるのですが,生命倫理のイシューはどうやって多数派が形成されるのかがはっきりしない難しさがあるように思います。諸外国だと,学会や科学アカデミーが声明を出すのだと聴いたことがあります。日本ではどこがこういった問題を議論する場になるのでしょうか。

また,社会規範は国や文化によって判断が異なります。ファミリーマートやフォアグラ弁当の禁止のニュースや,ケネディ大使によるイルカ漁への批判などイノベーションとは少し遠いですが,食文化関連のコンフリクトに関するニュースも最近多いように思います。研究としてこのような規範の国際比較をする際に,どのように計測するのかという手法周りの問題は,個人的に関心のある部分です。

参考
資生堂 化粧品の成分の動物実験廃止を目指す円卓会議

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