【先端科学技術とイノベーション第6回授業予定】12月18日

プログラム 2013年11月27日 posted浅井 政美 【先端科学技術とイノベーション第6回授業予定】12月18日 はコメントを受け付けていません。

平成25年度イノベーションマネージメント・政策プログラムの必修科目である「先端科学技術とイノベーション」の第6回の授業を行います。

この授業は一般の方の聴講も可能です。
聴講希望の方は、12月16日(月)までに、
impp@iir.hit-u.ac.jpまでに御氏名、御所属を明記の上お知らせください。
定員の都合上ご希望に添えない場合もありますので、ご了承ください。

日時:12月18日(水) 18から21時

場所:一橋大学 千代田キャンパス 学術総合センター1F 商学研究科リエゾン・ラボ 大会議室  アクセス

・光領域

テーマ「光学における科学と技術のイノベーション」

その1:「ドレスト光子」による光・物質融合技術の原理と応用

・概要

この講義では「ドレスト光子工学」と呼ばれる日本発の革新的な技術を紹介します。「ドレスト光子工学」とは進歩の限界に直面している既存の光技術に代わり、多くの分野に使える基盤的な包括技術(generic technology)であって、「ナノフォトニクス」とよばれる新たな光のナノテクノロジーです。従来から知られているナノテクノロジーは微粒子を作ったり、その性質を測定したりする技術、つまり材料工学でありました。しかしこれに光が組み合わさると様相は一変します。すなわち、単なる材料の枠組みから脱し、新しいデバイス、加工装置、エネルギー変換、システムへと発展し、技術の質的変革をもたらして社会を支える包括技術となります。この講義では「ドレスト光子工学」の原理と応用についてその概要を説明します。

抽象的で難しいかもしれませんが、実はすでに日常生活に役立つ技術がこの原理から生まれています。いや、難しいのではなく、知ることさえできなかったと思います。なぜなら以前は「ドレスト光子」に関連する概念はまだ広く知られていなかったために大学での理系のカリキュラムに含まれておらず、従って授業などで知ることができなかったからです。その意味で「ドレスト光子工学」は新規に登場した「異次元の光技術」と言えるでしょう。この技術は将来ますます発展していくと予想されていますので、その原理と応用を知っておことは今後の技術イノベーションへの展開およびその技術政策などに役に立つであろうと思います。

なお社会科学的な話題として、「ドレスト光子」という新たな概念の研究領域を開拓してきた思い、そしてこの「ナノフォトニクス」研究を成功させる為にどのような対外的な戦略を取ってきたのかなど、革新技術が生まれ育った様子を味わって頂ければ幸いです。

・講師

東京大学大学院工学系研究科 大津元一 教授

【現 職】

東京大学大学院工学系研究科 教授

東京大学大学院工学系研究科 ナノフォトニクス研究センター センター長

特定非営利活動法人ナノフォトニクス工学推進機構 理事長

【専門分野】

ドレスト光子工学

【略 歴】

1978年、東京工業大学大学院理工学研究科電子物理光学専攻博士課程後期終了、同年同大学助手、助教授をへて、1991年同大学大学院総合理工学研究科教授、2004年より現職。1986〜1987年米国AT&Tベル研究所研究員。 現在迄に、

(財)神奈川科学技術アカデミー「大津フォトン制御」プロジェクトリーダー/ 同財団 光科学重点研究室「大津・斉木グループ」リーダー/ 科学技術振興事業団 創造科学技術推進事業「大津局在フォトン」プロジェクト総括責任者/ (独)科学技術推進機構 戦略的創造研究推進事業「ナノフォトニクス」チームリーダー/ 文部科学省リーデイングプロジェクト「ナノ計測・加工技術の実用化開発」プロジェクトリーダー/ (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「大容量光ストレージ技術」開発事業責任者/ 同法人「NEDOプロジェクトを核とした人材育成 産学連携等の総合的展開」プロジェクトリーダー/ 同法人、「低損失オプティカル新機能部材技術開発」プロジェクトリーダー などを歴任。

・テーマ:光学における科学と技術のイノベーション

その2:ナノフォトニクス研究がもたらしたもの

・概要

企業の中の一研究者としての視点から、先端科学・技術がどのように実用技術に結びついていくのか、ということについて話をさせていただきます。ナノフォトニクスの研究を開始したのは、この領域がまだ黎明期にあった20年ほど前のことです。「光を少しでも小さな領域に絞り込む」という光技術にとっては永遠のテーマの流れの中で、物理限界を打ち破るブレークスルーとしてこの技術への取り組みを始めました。そこで気がついたのは、「光を絞り込む技術」であるという以上に、「光と物質の強い相互作用を引きずり出し、かつ制御する技術」であるという事こそがナノフォトニクスの真髄だということでした。

実用という観点では、研究を開始して20年近くを経て漸くナノフォトニクスの真髄に手の届く技術が太陽光遮熱フイルムという商品として世に出始めたという状況です。経営的な立場から見れば、そんなに長くかかることを果たしてやる意味があるのかとの疑問が出るかもしれません。しかし、実際には、ナノフォトニクスの研究で培った様々な知識、技術が基になり、バイオセンサなどの商品が生まれています。また、ナノフォトニクスの研究のために高度化したシミュレーション技術が、ナノフォトニクスとは直接関係の無いデジタルカメラや化粧品など、研究開始当初には考えもしなかった事業に貢献する技術として展開されています。そのような意味では、ナノフォトニクスは「光の新しい基盤技術」であるといえるでしょう。

このような新たな基盤技術が生まれるためには、個人の強い思いや、それを黙認し保護する上司、強力なパートナーの存在などと同時に、試練を与える存在も必要です。そしてなによりも、長期間にわたって未開の研究領域を彷徨い続けても必ず何かを拾って「生きて帰ってくる」事こそが必要なのではないかと考えています。講義ではそれらの事について、実例を交えながら考えを述べさせていただきます。

・講師

富士フイルム株式会社 R&D統括本部 先端コア技術研究所 主席研究員

納谷昌之氏

【専門分野】

光学

【略 歴】

1985年、北海道大学 大学院工学研究科(修士:応用物理学)終了。同年、富士写真フイルム(株)(現 富士フイルム株式会社)入社。印刷関連の光学技術研究開発に従事。1993年〜1995年、神奈川科学技術アカデミー 大津「フォトン制御」プロジェクトに会社からの派遣研究員として参画。その後、ナノフォトニクスの基礎研究およびに、バイオセンサ、光機能デバイスなどへの応用研究開発に従事。

以上

先端科学技術とイノベーション20131218 (640x480)

 

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