【報告】11月25日イノベーション・フォーラム
11月25日(水)のイノベーション・フォーラムでは、大阪大学経済学研究科の勝又壮太郎准教授、東北学院大学経営学部の秋池篤助教を迎え、「消費者から見たデザインの新奇性の意味」という題目で研究発表を頂きました。
工業デザイン(製品の外形)が新しいことは購買意向にプラスの効果を与えることは多くの研究で明らかにされていますが、「新しい」とは一体どのようなものであることを表しているのかは諸説あり、必ずしも共通の見解があるわけではありません。
勝又・秋池両氏の研究は、自動車の外見を消費者に示す等して得られたデータの分析結果から、次のような点を指摘しました。
- 消費者が認識する新規性には、直観として感じる新規性と、そのデザインが表す機能由来の新規性の2つがある
- 上記の2つの新規性は、需要者(消費者)が当該製品分野に詳しいか否かによって購買意欲に対する効果が異なる
両氏の研究はまた途上であるとのことから、会場からは研究の改善・進展のためのコメントが数多くなされました。消費者はデザインに対して、単なる外観だけの価値ではなく、意味的な価値を伴うものとして一体的に捉えていることが、本結果に表れているのではないかとの指摘があり、デザインについての研究の余地が大きいことが本フォーラムの議論から浮かび上がってきました。