2021年度「イノベーション研究方法論」⑦
7月21日に「イノベーション研究方法論」の第7回目の授業が行われました。
今回は「特許データの定量分析・特許データベースの使用方法」というテーマで吉岡先生が講義を行いました。
知識(あるいは情報)というものは、誰かが利用してもなくなることはなく、また複数人が同時に利用することができるという性質を持っています。そのため、独自の知識を生み出したり、情報を獲得したりしても、それが漏洩したり、模倣されたりしてしまえば、その価値は簡単に消失してしまいます。逆に言えば、誰かが生み出した知識や情報を利用すれば、それらの生産に係るコストを削減できます。そうなると、自分自身で知識を生み出そうとは誰も考えなくなってしまいますし、その状態は社会全体からすれば望ましくありません。その問題に対処しているのが、発明を創作者の財産として保護する特許制度です。
特許は、研究開発に係るさまざまな情報が記載されているため、イノベーション研究の主要なデータソースとして利用されてきました。今回の講義では、特許データを用いた研究をもとに、特許データで何がわかるのか(逆に何がわからないのか)を解説していただきました。また、実際にデータベースをどのように利用・活用していくのかという実践的な内容も説明していただきました。