2021年度「先端科学技術とイノベーション」④

授業 2021年12月27日 postedtaniguchiir 2021年度「先端科学技術とイノベーション」④ はコメントを受け付けていません

12月15日(水)に第4回目の「先端科学技術とイノベーション」の講義が行われました。今回は、「政策のための科学」の拠点である京都大学でユニット長を務める川上浩司先生(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 臨床情報疫学(MCR)ディレクター,健康解析学講座(薬剤疫学分野)教授 デジタルヘルス学産学共同講座 研究責任者(兼)学際融合教育研究推進センター 政策のための科学ユニット長)に「医療リアルワールドデータの活用とライフコースデータによる一生を通じた予防医療への取組」というテーマでご講義いただきました。

医学研究と聞くと、ある処置をする群としない群を比較して、例えばある薬の効果を評価するという実験(治験)が一般的にイメージされるかと思います。それに対して川上先生は、医療や健診の大規模なデータセットを用いて、診断方法の効果や治療の効果等を研究なさっています。こうした研究領域は、臨床疫学や薬剤疫学と呼ばれています(欧米ではデパートメントがあるほどメジャーなものの、日本ではまだまだマイナーな領域だそうです)。それらの領域は、医療現場での疑問や問題を検証可能な問い(リサーチクエスチョン)に落とし込むという作業が鍵となるそうです。その点で、社会科学研究と共通していると感じました。

講義の中では、これまで川上先生のチームが明らかにしてきた研究結果をご紹介いただきました。「明日の医療を変えていく」という言葉がとても印象的でした。こうした研究は、医療や健診のデータを大規模に収集する必要があります。その点で川上先生がご尽力されている取組についても、ご紹介いただきました。

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