[2017.1.24-25開催] 第1回科学技術イノベーション政策のための科学オープンフォーラム報告 No.3
(24日)午後後半は、まずパネルディスカッションとして、文科省、厚労省、経産省から、それぞれの将来戦略が紹介され、議論を行ないました。
文科省からは科学技術予測センター長の赤池氏が「科学技術予測調査:国際的視点からのシナリオプランニング 」を、厚労省からは生活衛生課長の榊原氏が「保険医療2035年ビジョン」を、経済産業省からは官房総務課の高木氏が省内で非公式に取りまとめた「21世紀からの日本への問いかけ」を紹介しました。
いずれもエビデンスを活用したものでしたが、発表者自身も指摘するように、ビジョンの根拠がない、将来予測に止まっている、対応する政策の効果評価がなされていない、などの問題点が残っていました。
ちなみに、厚労省のビジョンは政策的な意思として旧来型ではあるものの「将来ビジョン」の機能を持っていましたが、文科省・経産省のものは、ビジョンとは呼べず、「共通認識醸成のための材料」を提供しているに過ぎない印象でした。
会場からも、データだけでどこまで出来るのか、という疑問が繰り返し発せられましたが、データに依存するがゆえにデータに囚われ、意思を込めることが難しくなるのがエビデンスベースドポリシーのリスクかもしれませんね。
ディスカッションでは、brexitやトランプ問題で注目を浴び、2016年の英国の流行語大賞となったpost-truthが話題となり、そこにエビデンスでどのように対応するかが議論の中心となりました。
その後ポスターセッションで各拠点の紹介をしました。imppのポスターでは「デザイン・文化」と技術や政策をどうリンクするのかが議論になりました。
一日目の最後は、トークライブとして、「AI「が」創る倫理〜SFが幻視するもの〜」と題して、京都大学の八代さんのオーガナイズのもと、明治学院大学の稲葉氏、SF作家の飛氏が登壇されました。
AIやロボットは神ではない。特定の仕事能力に関して徐々に力をつけ、ある時点でその特定の仕事に関して人間の能力を超える。その時に政策はどう対応するのか。面白くて難しい議論です。
明日は色々な企画セッションが続きます。