2024年度「先端科学技術とイノベーション」③

授業 2024年10月9日 postedlijiarong 2024年度「先端科学技術とイノベーション」③ はコメントを受け付けていません

2024年10月9日(水)、秋冬学期の「先端科学技術とイノベーション」の第3回の講義が千代田キャンパスの一橋講堂1階特別会議室にて開催されました。また、本講義はZOOMを通じてオンラインでも配信されました。今回の講義では、荏原製作所の辻村学氏をゲスト講師としてお迎えし、「嵐の中の経営戦略 ~装置メーカーの視点から見た半導体業界の進化と歴史~」をテーマにお話しいただきました。辻村氏は、半導体業界における技術革新とその歴史的背景を振り返りながら、業界の現在の動向や課題、そして今後の展望について詳しく解説しました。

辻村氏は、講演の冒頭で自身の経歴や半導体業界との関わりを紹介し、特に過去40年にわたる業界の進化を装置メーカーの視点で捉えたユニークな見解を示しました。彼は、半導体技術が産業の「米」から「頭脳」、そして「戦略物資」へと進化してきた過程について述べ、技術革新がいかにして産業全体の発展を牽引してきたかを強調しました。また、日本の半導体産業が国際的競争力を再び取り戻すためのシナリオについても、具体的な提案を行いました。

講演の中では、特にTSMC(台湾積体電路製造)やラピダスなどの主要企業が果たす役割に注目し、これらの企業がどのように半導体技術の最前線で革新を推進しているかについて具体的な事例を交えて説明されました。さらに、生成AIやデジタル赤字といった現代の技術トレンドが、企業の経営戦略や市場の方向性に与える影響についても掘り下げられ、参加者に深い洞察を提供しました。

質疑応答セッションでは、参加者から多くの質問が寄せられ、辻村氏は半導体業界の未来予測や技術的課題の克服方法について丁寧に答え、特にAIや5G技術がどのように業界に革新をもたらしているかについての議論が活発に行われました。辻村氏は、これからの半導体産業が迎えるであろう課題に対して、日本企業がどのような戦略を持つべきかについて、実践的なアドバイスも交えながら語りました。

今回の講義は、参加者にとって半導体業界の現状と未来についての理解を深める貴重な機会となり、産業界と学術界の架け橋を築く重要な場となりました。講義終了後も、参加者同士の交流や意見交換が行われ、今後のイノベーションに向けた活発な議論が続くことが期待されています。

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